自営業者におすすめの住宅ローン「フラット35」とは
自営業者におすすめの住宅ローン「フラット35」とは
多くの人にとって一大ライフイベントとなるマイホームの購入。住宅ローン審査に悩む自営業者の方は、意外に多いのではないでしょうか。会社員と比較して収入が不安定になりやすく、金融機関にとって継続した返済能力の判断がつきにくい自営業者は、一般的に審査に通りにくいと言われています。今回は、そんな自営業者の方におすすめしたい住宅ローン「フラット35」についてご紹介します。
自営業は住宅ローン審査が厳しい
冒頭で述べた通り、自営業者への住宅ローン審査には厳しい現実があると言われています。
ローン審査とは、ざっくりと言ってしまえば契約者が完済できるかどうかを見る審査です。一般的な会社員であれば、その収入は会社が存続する限り会社という大きな組織に依存するため、金融機関から見れば安定した収入環境があると評価をつけやすくなります。一方で自営業者となると、その収入は個人による部分が大きく、会社員と比較して安定性に欠けるという判断になるでしょう。この辺りが、自営業者のローン審査が厳しいと言われる大きな理由です。
自営業でも住宅ローン審査に通るポイント
しかし、自営業者には住宅ローンが使えないのかと言われれば、一般的に厳しいと言われるだけで決してそんなことはありません。以下に自営業者の住宅ローン審査で重視される3つのポイントについてご紹介します。
3期連続で黒字であること
自営業者がローン審査に通るには、原則として3期連続の黒字が必要です。これは3期連続の黒字であれば、事業が安定している、ひいては継続した返済能力があるという一つの基準となると考えられているからです。
また、収入で審査される会社員と違い、自営業者は所得で審査されます。つまり、経費計上が多く、所得が少なく不安定というような状況だと審査は厳しくなるということも、合わせて抑えておきたいポイントです。
税金等の滞納をしない
税金や保険料の滞納は審査に大きく影響します。給与から天引きされる会社員と違い、自ら納めなければならない自営業者にとって税金や保険料の滞納は多忙や資金繰りを理由にありがちなことですが、金融機関はその事実を重く見ます。
これは返済が滞った場合、担保の売却による資金回収を行うとしても未納分の納税が優先され回収不可能となる可能性が増えることや、そもそも滞納する姿勢が信用できない要素と判断されるようです。もし、滞納がある場合は、その支払いを済ませてから納税証明書の取得・提出をすることをおすすめします。
審査が通りやすい住宅ローン・金融機関を選ぶ
上記に挙げた事業・収入面のポイントを抑える一方で、自営業者に有利な住宅ローンを選択するということも選択肢に加えておきましょう。金融機関の中には、青色申告控除や減価償却費や専従者給与などの実際には支払いが生じない経費や専従者給与などの金額も、事業所得としてカウントしてくれるケースもあります。特に取引銀行など付き合いのある金融機関であれば、これまでの実績や実態を考慮した審査をしてくれる可能性は高くなります。
自営業の方には「フラット35」の住宅ローンがおすすめ
ここまでで、やはり個人事業者にとって住宅ローン審査は難しいと感じる方もいらっしゃるでしょう。そんな方におすすめしたいのが「フラット35」の住宅ローンです。
フラット35とは
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が連携して提供する、最長35年の全期間固定金利型の住宅ローンです。全国の金融機関から申し込むことができます。
特徴、メリット
フラット35の最も大きな特徴は、全期間固定金利という点です。これにより返済額が一定で返済計画を立てやすくなるというメリットがあります。一方で将来金利が下がった場合でも返済額が変わらないというデメリットが考えられますが、既に超低金利状態と言われる現在では大きなデメリットとは言えないでしょう。
自営業の方が利用しやすい理由
自営業者の方におすすめしたい理由は、審査基準が自営業者であっても比較的緩やかだという点です。
審査時に対象となる所得は直近の1期分のみで、収入と借入額、信用情報の要件を満たしていれば審査に通る可能性があります。これは通常3期分の所得平均で審査される他の住宅ローンと比較してハードルが大きく下がります。また、その他にも審査金利が低いことや事業用の融資は個人の借り入れとみなさず審査されるなど、個人事業者にはありがたい審査内容となっています。
審査基準が緩やかな反面、前項でご紹介したような青色申告控除や減価償却費などを考慮する対応はフラット35ではなされません。あくまで基準の中で判断がされるという点にはご注意ください。
個人事業主・自営業者のフラット35審査に必要な書類
フラット35の審査に必要となる書類は、一般的な本人確認書類や借入申込書、既存の借り入れ明細の他に、自営業者の所得証明書類として2期分の確定申告書と納税証明書が必要となります。また、この他に金融機関によって他の書類が必要となる場合がありますので、詳しくは各金融機関のホームページや窓口で確認してください。
おわりに
今回は自営業者の住宅ローン審査をテーマに「フラット35」についてご紹介しました。会社員と比較して審査基準の厳しい自営業者は、事前に情報を集め計画的な準備をすることが必要です。自営業者の方は「フラット35」に限らず、多くの選択肢を精査し、可能であれば専門家に相談するなどして住宅購入を目指すことをおすすめいたします。